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平成23年ファイティング原田氏講演会(7月11日

 
 
 2011年7月11日に若手勉強会の一環としてファイティング原田氏を講師に招き、 講演会が行われました。ボクシングの元世界フライ級・バンタム級チャンピオンであり、国民的英雄の原田氏が少年時代から今に至るまでを、熱く語って頂きました。
 
 

少年時代

 小さい頃、おやじから言われていたことがあるんですよ。
男として生まれたからには、世の中に出るのには3つしかない。

一つは、勉強勉強、勉強して学者になる。
もう一つは、銭。金を掴む。
もう一つは、努力。苦しい努力をして、栄光を掴まなきゃならない。

この3つから選べ。
僕は学校は大好きだったんだけど、勉強は大嫌いだったんですよ。


ボクシングとの出会い

 僕は中学3年の時に、米屋でアルバイトをしてたんですよ。
近所に笹崎ジムがあって、配達の途中によく見てたんです。
そんなんで、33年に入門したんですよ。
学校へ行って、米屋の配達をして練習して35年にデビューしたんですよ。
それから26連勝したんです。


世界フライ級挑戦の時
(最初は矢尾板貞夫氏が挑戦する事に決っていたが突然の引退により原田氏が挑戦することになった)

37年10月10日にポーン・キングピッチとの世界戦のチャンスが回ってきたんです。
10日前に、空港に迎えに行った時に握手をしたんです。そっぽを向いてたんですよ。
僕はその時、「この野郎、こん畜生」っていう気持ちだったんですよ。
その後、試合の1週間前にコミッションも入って、調印式があったんですよ。
その時に握手した時も、そっぽを向いてたんですよ。
僕はそれで2回頭に来ちゃって、試合の時1ラウンドから打って打って打ちまくったんだ。
それで、12ラウンドでKOした。
もしあの時、笑顔で握手してたらこんなには打ってなかったかも。


バンタム級に上がってから

 当時、世界最強といわれていたエデル・ジョフレに挑戦したんです。
(世間では)原田勝てる訳ないよ、といわれていたんですね。
彼は人間的にも素晴らしいんですよ。
空港に迎えに行っても笑顔でね。
世界チャンピオンであっても、人間的には魅力ありました。
試合開始の、ゴングが鳴った時でもお互いグローブを合わせてね。
4回左アッパーで(ジョフレが)ガクッて来てコーナー詰めて連打して、今ならストップでしょう。
5回には、さすがジョフレ。僕が打たれたんですよ。
あまりに打たれて、(ゴングが鳴った後)コーナーを間違えた。そこまで打たれてね。
でも僕も、非常に練習していたのであれだけ頑張れた。


減量

 この一杯の水が、何千万何百万にも変えられない。飲んだら負ける(計量オーバー)から、水なんか飲めないんだから。
うがいをしたって、少しは水分が入っちゃうんですよ。
水道だって元栓締めてるから出ないんですよ。一人でのんびりできるのは、トイレに座っているのが一番。トイレの水を流した時に、頭を突っ込んで飲んでみたいな。そんな気持だった。
それだけやってるんだから頑張れる。苦しんだやつほど頑張れるよ。


世界戦15ラウンド

 今の世界チャンピオンは、苦しみが足りない。
昔は15ラウンドでしょ。15ラウンド闘うためそれだけ練習をするんです。
今ほど階級も多くないから。それだけ減量する。最後の苦しみは、おれも一緒、
あいつも一緒。そういう時に余計に苦しんだ奴が頑張ると思う。


笑顔

 人間ってのは、笑顔を忘れたら駄目。キングピッチなんて握手してもそっぽ向くんですよ。
ジョフレは、すごく人間的にも素晴らしい。握手すれば笑顔で返す。人間なんてそうでしょ。初めて会った人でも、握手してそっぽ向かれりゃこの野郎って思うじゃないですか。
握手されてこんにちはって言われるのとは全然違う。そのくらい笑顔っていうのは大事なんです。




 金には当時興味が無かった。今の子達は給料いくらですか?ファイトマネーいくらですか?って聞くでしょう。
そんなの10年早い。
自分が仕事して、それからついてくるもの。俺は金は後から付いてくるものだと教わったんですよ。ボクシングは世界チャンピオンになって、ガバッっと入ってくるんですよ。
金は後からつくものだ。金ほしい奴だったら、自分で頑張るでしょ。
自分が認めてもらえば、金は後から付いてくる。
金を先行したら駄目なの。


人を育てる

 ボクシングは大変苦しいけれど、苦しい事をやれば、例えばボクシングやらなくても、第2の人生でも、ボクシングはあれだけ苦しかったんだから、必ず頑張る事が出来ると思うんです。だから、それだけ頑張りなさい。
今、世界チャンピオン多いじゃないですか。
好きですね。造るのが楽だから。
そのうち「おれのとこは、えらい事言ったって出てこねえじゃねえか」といわれちゃうけど。
やっぱり、おれらの情熱があればいい奴が来るんじゃないかと思うし、強えなって言われる選手を出したいし、名選手は名コーチにはなれないって言うけど、やっぱり情熱だと思うよ。
若い選手と共にやればついてくると思うよ。
俺ら笹崎(ジム)のおやじは、厳しかったけど選手はついていったもん。
俺らの情熱があれば、(選手も)ついてくると思うんだよな。
そういったって、なかなか選手が出てこなけりゃ・・・・・。
まあ、そのうちに・・・・・・。(がんばって!!)


挨拶

 ボクシングが人に好かれなければだめだ。
世界チャンピオンになって、会場行ったりしてる時はいいよ。でも、降りたら関係ないよ。
降りたら皆さんと一緒ですもん。
その感覚を使えないと駄目ですよ。
「この野郎、偉そうに」と思われるのが一番ダメ。
ボクシング場行ったって、先輩に会ったら「こんにちは」って挨拶するよ。
ジムの子達も挨拶が一番なの。
僕らもそうだったけど、ドア開けて(みんなに見られると)そろそろって入っちゃうの。
道場に入る時に、「こんにちは、お願いします。」これが口癖になって、人に会った時でも「こんにちは」「おはようございます」って言えるような人間にならなきゃ。礼儀を忘れちゃ駄目なの。


ボクシングは男の美学

 ボクシングは、あれだけ殴り合っても、お互いに「ごくろうさん」って健闘をたたえ合えるんだ。ボクシングは素晴らしいスポーツだ。

ボクシングはいい!


 
 

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ファイティング原田氏1
ファイティング原田氏2
ファイティング原田氏1
ファイティング原田氏2
ファイティング原田氏3
講演風景1
ファイティング原田氏3
講演風景1
講演風景2
記念撮影
講演風景2
参加者記念撮影

 


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